大塚化学株式会社

半導体の切削材料の加工ポイント!材料の種類や選び方は?

近年、IoTやAI技術の進化により、半導体デバイスの需要はかつてないほどに高まっています。これに伴い、半導体検査治具の性能向上は重要な課題であり、その根幹を支える切削材料の加工技術は極めて重要性を増しています。

この記事では、半導体検査治具において不可欠な切削材料に焦点を当て、その種類や特性、最適な材料選定について詳しくご紹介していきます。

切削材料の種類と特性

半導体検査治具において、その性能と信頼性を決定づける重要な要素の一つが、使用される材料の特性です。半導体デバイスの高性能化と微細化が進むにつれて、切削材料に求められる要件も高度化しています。ここでは、主要な切削材料とその特性について解説します。

PI(ポリイミド)

PIは、非常に高い耐熱性を持ち、200℃以上の環境下でも長期使用が可能なスーパーエンプラです。優れた機械的強度、電気絶縁性、耐放射線性も備えています。そのため半導体検査治具では特に耐熱性が求められる用途で使用されています。

PAI (ポリアミドイミド)

PAIは、PIに匹敵する高い耐熱性と、優れた耐摩耗性、高い機械的強度、耐薬品性を持つスーパーエンプラです。特に、高温環境下での強度や剛性の維持に優れており、半導体検査治具など様々な治具に使用されますが、吸湿性が高いため注意が必要です。

PEEK(ポリエーテルケトン)

PEEKは、優れた耐熱性、機械的強度、耐薬品性、耐摩耗性を兼ね備えたバランスの取れたスーパーエンプラです。PIやPAIに比べると耐熱性低いですが、各種フィラーや添加剤を入れて様々な特性を付与した製品があり、半導体検査治具において幅広く使用されています。

ポチコン板材

大塚化学が開発したポチコンは、ミクロ補強性と低摩耗性が特徴の高機能樹脂です。特に「半導体検査治具向けポチコン板材」は、電子部品の高密度化に対応するため、優れた微細加工性を持っています。

ポチコン板材は、微細なドリルやエンドミルで、これまで難しかったΦ20µmの丸穴加工(壁厚3µm)や30µmのリブ加工を可能にします。これは、ポチコンのミクロ補強性により、微細な形状が壊れずに維持されるためです。

また、小径ドリルでの加工時に穴の位置精度が高く、バリも少ないため、高精度な切削加工に貢献します。

ポチコンについてさらに詳しく知りたい方、または半導体検査治具の品質向上をお考えの方は、ぜひ大塚化学のウェブサイトをご覧ください。

https://www.otsukac.co.jp/advanced/materials-development-laboratory/semiconductor-inspection-jig.html

最適な半導体切削材料の選び方

用途に応じた材料の選定基準

材料選定では、まず製品に必要な機能と性能を明確にすることが重要です。高温での使用には耐熱性、電気特性重視なら低誘電率の材料といった具合に、用途に応じて強度や耐薬品性などの物理的・化学的特性の優先順位が変わります。

次に、コストと供給の安定性も考慮しましょう。高性能材料は高価ですが、不良率低減や加工時間短縮でトータルコストを抑えられることもあります。また、長期的な視点で安定した材料供給ができるか、サプライチェーンのリスク評価も不可欠です。

材料メーカーとの連携の重要性

最適な材料を選び、その性能を最大限に引き出すには、材料メーカーとの密な連携が欠かせません。メーカーは自社製品の特性を熟知しており、用途や加工条件に最適な材料を提案できます。

さらに、新しい切削材料の開発や既存材料の改良に関する最新情報も入手可能です。共同で試験加工を行えば、最適な条件を見つけ、開発期間の短縮や生産効率の向上にもつながります。信頼できる材料メーカーとのパートナーシップは、競争力強化に不可欠です。

切削材料の加工で意識したいポイント

適切な切削材料を選ぶ

半導体検査治具の部品には、樹脂だけでなく金属やセラミックスなど多様な材料が使われます。部品の機能や環境に合わせ、最適な材料を選ぶことが最初の重要なステップです。

例えば、低い線膨張係数が必要であればセラミックスを選びますが、これらは加工が難しくコストも考慮が必要です。最近では、ポチコンのような微細加工性やミクロ補強性に優れた新素材も登場しており、検査治具などで新たな選択肢となっています。

加工時間短縮とコスト削減

市場競争が激しい現代において、加工時間の短縮とコスト削減は常に重要な課題です。これらを解決するには、長い目で見て工具コストを抑えることが重要です。

耐摩耗性に優れた工具の選定や適切なコーティング、再研磨などを行うことで、加工時間も短縮でき、コスト削減にもつながります。

まとめ

半導体検査治具用に使う切削材料の加工は、材料選定から加工技術、品質管理、コスト削減まで、幅広い知識と技術が必要です。また、材料の特性を理解し、それぞれに最適な加工方法や工具を選ぶことは、高品質な半導体検査治具を生み出す上で不可欠です。

大塚化学では、微細加工性に優れた半導体検査治具向けポチコン板材を提供しています。微細かつ精密な加工が求められる検査治具において、ポチコン板材を使用すれば、高いレベルでの微細加工ができるようになります。詳細は下記リンク先をご覧ください。

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