超微細なチタン酸カリウム繊維「ティスモ」を配合した複合材料「ポチコン」
LEDリフレクター部品やカメラモジュール部品等のミクロ補強性が求められる用途から自動車の軸受け部品等の高強度、高摺動性が求められる用途まで、顧客のニーズに応える熱可塑性材料です。
「ポチコン」はチタン酸カリウム繊維「TISMO」を熱可塑性樹脂にコンパウンドした複合材料であり、ミクロ補強性・表面平滑性・寸法安定性・耐摩擦摩耗性を有する材料です。
ソリューション
微細なフィラーであるチタン酸カリウム繊維を熱可塑性樹脂に添加することで微細部分の補強ができ、寸法安定性に優れます。また、相手材への攻撃性が低くグリスレスを可能とします。成形機や金型に対するダメージが小さく、リサイクル性にも優れているためコストダウンにも貢献できます。
特長
1.ミクロ補強性
プラスチックス中の繊維の分散状態がミクロ単位に均一であるので、超精密成形、薄肉成形が可能です。
優れた摩擦摩耗性
摺動グレードの開発により、無潤滑で優れた摩擦摩耗性を持つ摺動部品の成形を可能にします。
2.優れたリサイクル性
ティスモの剛性、強度、サイズなどに由来する3つのリサイクル性を持ち、再使用が可能です。
3.優れた寸法精度と安定性
ティスモは極めて微細な繊維であり、射出成形品内部での繊維配向が比較的小さいことから、優れた寸法精度と安定性を発揮。
4.極限の表面平滑性
ティスモを配合して作られるポチコンによる成形品は金型転写性が高く、鏡面状態の平滑面が得られます。
5.容易な成形加工性
ポチコンは、GF強化プラスチック品と同等の成形条件で成形を行うことが出来ます。チタン酸カリウム繊維は表面硬度が低く、微小であるためGF強化プラスチックと比べて金型や成形機の摩耗が抑えられる可能性がありトータルコストの低減に繋がる可能性があります。
物性
ベース | POM | PBT | PA | MXD6PA | PC | PPS | LCP | PEEK | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
グレード | OA30 | BT262 | NTE264 | NT363 | CT26B | RBA514 | VT6 | KT16 | ||
単位 | 試験方法 | |||||||||
比重 | D792 | 1.68 | 1.58 | 1.38 | 1.48 | 1.51 | 1.6 | 1.69 | 1.58 | |
吸水性 | % | D570 | 0.2 | 0.07 | 1 | 0.2 | 0.11 | 0.02 | 0.08 | 0.02 |
引張 強さ |
MPa | D638 | 111 | 102 | 119 | 150 | 104 | 78 | 235 | 116 |
破断 伸び |
% | D638 | 3.5 | 3.2 | 3.7 | 3.1 | 5 | 2.2 | 6.3 | 4.4 |
曲げ 強さ |
MPa | D790 | 169 | 158 | 177 | 238 | 166 | 120 | 212 | 248 |
曲げ 弾性率 |
GPa | D790 | 8.8 | 8.3 | 7.5 | 11.2 | 7.6 | 7.1 | 13.7 | 9.9 |
IZOD 衝撃値 |
J/m (ノッチ付) |
D256 | 44 | 49 | 39 | 31 | 41 | 25 | 245 | 45 |
J/m (ノッチ無) |
D256 | 637 | 794 | 774 | 627 | - | 127 | - | - | |
動摩擦 係数 |
*Otsuka method |
0.28 | 0.19 | 0.15 | 0.14 | - | 0.2 | 0.37 | - | |
比摩耗量 | X10-1mm3 /N・km |
0.296 | 0.012 | 0.006 | 0.018 | - | 0.021 | 0.143 | - | |
相手材 摩耗量 |
X10-1mm3 /N・km |
0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | - |
相手材:S45C鋼、面圧力=1MPa、すべり速度=0.3m/sec *面圧力=0.06Mpa
(注)本特性は代表値であり、保証値ではありません
ポチコンの用途
- 自動車駆動部材(ギア・ベアリング)
- LEDリフレクター
- 時計部品(ギア・地板)
- カメラ(案内管・手振れ補正部品)
- OA摺動部品(ギア・軸受け)
- カメラモジュール部品
- モーター部品(歯車・軸受け)