添加剤でゴムに更なる可能性を
当社は、ヒドラジン誘導体をはじめとする有機合成技術を活用し、各種ゴム配合用の特殊有機薬品の開発・販売しております。特に、自動車用タイヤの低燃費性・耐久性などを向上させることができる特殊な有機薬品の販売を行っております。タイヤは、車の安全性・環境性・快適性に関わる重要な部品です。これらのタイヤの性能は使用されるゴム材料の特性に大きく左右されます。高性能タイヤ用ゴム材料に、大塚化学で開発された世界初のオリジナル化合物が採用されております。それらの化合物は、ゴム材料の中に微量に存在しますので、決して目立つわけではありませんが、今般のモビリティ社会に大きく貢献しております。特に、車の燃費向上に繋がる低燃費タイヤへの薬品技術は、地球の二酸化炭素低減にも繋がる環境負荷低減に貢献しています。
品目 | DS-01T | EN-01 |
---|---|---|
適合ポリマー | SBR/BR | 天然ゴム |
適合フィラー | シリカ | カーボンブラック |
効果 | シリカ分散 | カーボン分散 |
向上物性 | 低発熱化 | 引裂強度 |
適用用途例 | 乗用車用タイヤ キャップトレッドゴム |
大型タイヤ トレッド・ケースゴム |
ソリューション
天然ゴム若しくは合成ゴムにAcroadを添加することで、 充填剤の分散性を向上させることが出来ます。
ごく微量の添加剤がゴムのポリマー分子と混合工程中に反応することにより、得られたゴムは、充填剤であるカーボンブラックやシリカに対して、親和性を持つことになります。このゴム分子の親和力により、混合工程中に加えられたカーボンブラックやシリカなど充填剤のゴム中への分散性を著しく向上させることができます。この添加剤によるゴム中の充填剤分散性向上により、加硫ゴムの各種物性が著しく向上いたします。ゴムの種類・充填剤の種類により、最適な添加剤を提供いたしております。
特徴
低発熱
DS-01T(合成ゴム/シリカ配合系)をゴム混合中に少量(0.2~2.0phr)添加することで、 得られた加硫ゴムは、充填剤の分散性が向上し、非常に低い発熱特性になります。これらの添加剤を、配合ゴムの種類(ゴム/充填剤)により、使い分けることにより、その効果が発揮されやすくなります。
耐久性
EN-01をゴム混合中に少量 (0.6~1.2 phr) 添加することで、得られた
加硫ゴムは発熱性は同等で引裂性能が著しく向上します。亀裂進展が抑制されるため、ゴム製品の耐裂傷性が向上し、ゴム製品寿命向上に繋がり
ます。
物性
DS-01Tのゴム配合例
配合例 | Reference | DS-01T |
---|---|---|
S-SBR | 80 | 80 |
ブタジエンゴム | 20 | 20 |
DS-01T (オイル15wt%) | - | 1.17 |
シリカ | 80 | 80 |
シランカップリング剤 | 6.4 | 6.4 |
カーボンブラック | 5.0 | 5.0 |
他 | 7.5 | 7.5 |
オイル(合計) | 45 | 45 |
CBS | 2.0 | 2.0 |
DPG | 1.2 | 0.6 |
硫黄 | 1.0 | 1.0 |
DS-01Tのゴム物性例
物性 | Reference | DS-01T |
---|---|---|
ムーニー粘度(ML1+4/100 ℃) | 92 | 110(Index 120) |
スコーチ(130℃/min) | 24 | 17(Index 70) |
硬度(Shore A) | 62 | 61 |
引張強度(23℃/MPa) | 19.9 | 20.3 |
引張伸(%) | 560 | 520 |
粘弾性 | ||
G'min(MPa) | 1.04 | 1.00 |
G'max(MPa) | 3.90 | 1.60 |
G'max(MPa)-G'min (MPa) | 2.86 | 0.60 |
tanδ(max) | 0.303 | 0.184(Index 61) |
tanδ(max)-tanδ(0. 1%) | 0.143 | 0.028(Index 20) |
(注)本特性は代表値であり、保証値ではありません
用途
- 大型タイヤ用ゴム(天然ゴム/カーボンブラック配合系)
- 小型タイヤ用ゴム(合成ゴム/シリカ配合系)
- 防振ゴム・コンベヤーベルト用ゴム
- その他工業用ゴム製品
- 天然ゴム原料
実績
トラックバス用タイヤゴム・乗用車用タイヤゴム・防振ゴムなど
世界中の大型タイヤ用ゴム・乗用車用タイヤゴムなどに、弊社のこれらの添加剤が配合され、低燃費性・耐久性の向上に貢献しております。
また、自動車用防振ゴムにも適用されており、防振ゴムの高性能化に寄与いたしております。