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用途開発01 粘着剤

粘着剤への応用

当社のリビングラジカル重合法を用いて開発を進めている粘着剤の紹介を致します。
ポリマーの一次構造制御を行う事で従来にない機能発現が期待できます。
基本コンセプトとしては、

  1. 高度な分子量及び分子量分布が制御が出来るため、樹脂中に分子量の小さいオリゴマー成分を含みません。粘着テープを剥いだりして再使用する場合の汚染の原因となるオリゴマー成分を含んでおらず、耐汚染性が向上します。
  2. 通常粘着剤では架橋成分としてカルボキシ基や水酸基などの官能基を持つモノマーが使用されます。制御重合法を用いているため、架橋に必要な官能基の均一化が実施でき、架橋システムのコントロールが可能です。
  3. 従来の重合法では赤丸で囲んだような糊残りや耐熱性低下の原因となる架橋成分を含まない、ホモポリマーの複製が起こります。TERP法では制御良く官能基が組み込まれるため、未架橋ポリマーが存在せず粘着剤自身の耐熱性が向上します。
粘着剤への応用
  • 分子量が均一 → 耐汚染性向上(オリゴマー成分由来の糊残り)
  • 官能基成分量が均一 → 架橋度のコントロール
  • ホモポリマーがない → 耐熱性向上(未架橋ポリマーがない)

フリーラジカル重合品との比較

下の図は粘着剤用樹脂として最も一般的なアクリル酸ノルマルブチルを用い、従来のフリーラジカル重合法で合成した樹脂と、リビングラジカル重合法で合成した樹脂の粘着特性を比較した結果です。

右図に両者の分子量制御の状況を示します。この図では、山の幅が狭い程、分子量分布の制御に優れているということを表現しています。青線の従来法は、山の幅が大変広く低分子から高分子までの幅広い分子量分布になっていますが、我々の方法(TERP)を用いれば、大変分子量分布が制御された単分散のポリマーが得られます。

実際の粘着剤配合ではありませんが、樹脂自身の特性を把握する目的で、架橋剤を用いない樹脂そのものの粘着特性を、実際に比較してみました。 TERP法を用いた樹脂の特徴としては、未架橋部分やオリゴマー成分が存在しないため、従来品と比較して、凝集力に優れるという特徴を有しています。その結果、保持力が2分から26分へと極端に向上しております。このように、従来品では発現できなかった高機能の粘着剤が開発可能です。

フリーラジカル重合品との比較

ポリアクリル酸ブチルでの粘着物性評価

 
重合方法
TERP
フリーラジカル
Mw 581,600 703,800
PDI 1.24 3.44
粘着力
N/25mm
7.4 16.6
ボールタック
(Ball No./32)
5 6
保持力
40℃×1kg
26min 2min
フリーラジカル重合品との比較

TERP品は低分子量分がないため、凝集力に優れる。
→ より高機能な粘着剤の開発が可能

粘着物性のコントロール

官能基のコントロールが可能で凝集力に優れるという特徴と、様々構造を持つモノマーを重合できるという当社の重合技術の特徴を生かし、様々な製品の機能や要求に合わせた粘着物性をコントロールすることが可能です。基本配合をベースにして、例えば、粘着力を高くしたもの、粘着力を低くしたもの、またはボールタックを変えずに粘着力のみ変化させた粘着剤などの各種粘着物性制御が可能です。

粘着物性のコントロール

分子量、ポリマー組成を制御することで各種物性の制御が可能。

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