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ラジカルの特徴を生かした高分子合成法であり、重合可能なモノマーの多様さ、反応系の取り扱いの容易さとそれに基づく製造コストの低廉化などの利点があり、工業的に多く利用されています。多くの場合、アゾ開始剤や過酸化物を用いて重合を行います。
重合機構としては一般に開始反応、成長反応、停止反応、および連鎖移動4つの素反応から成り立っています。いったん、開始ラジカルが生成すると、それがモノマーに次々と反応する成長反応が起こります。これにより生じた重合末端ラジカルは再結合反応や不均化反応による停止反応を受けて、デッドポリマーとなります。その結果分子の長さのそろわないポリマーが生成されます。
重合過程において開始反応と成長反応のみから成り、連鎖移動反応あるいは停止反応などの成長末端を失活させる副反応を伴わない重合のことです。このような条件が成立すると、成長末端は重合中常に成長活性反応を保ち続けることから「リビング」生きていると言われています。
連鎖移動が起こらないことから、それぞれ長さのそろったポリマーが得られます。またリビングラジカル重合によって合成されたポリマー(A)の成長末端を利用して違うモノマー(モノマーB)を添加することで、新しいモノマーのもとに重合が進行し、ブロックポリマーを合成することが可能です。
以上のことからラジカル重合とリビング重合の優れた特徴を併せ持つこの方法が、高度な機能を持つ高分子材料創製の基盤技術となることが期待されています。