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先輩社員紹介

研究開発本部 機能性高分子研究所 さまざまな分野の知識を融合した研究でゼロからイチを生み出すのが目標

循環型社会の形成に役立つ研究をしたい

大学院では生物物理学を研究していました。生物物理学とは、生命の本質を物理学的な考え方や研究で解き明かす学問です。生物学の実験は不明瞭な結論で終わることもありますが、生物物理学では生物の構造を物理学的な手法で明らかにすることにより、はっきりとした結論を導き出す出すことができます。生物物理学に限らず、さまざまな学術分野の融合が今後の学術的ブレイクスルーを起こすと考えていました。
数ある学術分野の中でも、特に生物科学と材料科学の融合に興味を持っていました。当時から話題となっていましたが、今後の世界は間違いなく脱炭素や炭素循環といった循環型社会へと移行し、多くの材料が生物由来のものに置き換わっていくと考えられます。循環型社会を実現するためにも、最先端のフィールドで活躍したいという気持ちが強くなっていきました。
その夢を実現すべく、就職活動では材料開発の研究に携われる会社を探していました。中でも興味を引いたのが、「ハイブリッド・ケミストリー」を重視していた大塚化学でした。既存の枠にとらわれず、有機化学から高分子化学、無機化学まで研究開発範囲は多岐にわたっていたため非常に興味深く、私自身も大きく成長できると感じて志望致しました。

無限の可能性を秘めた機能性ポリマーの研究

入社後から現在に至るまで、機能性ポリマーの研究に従事しています。ポリエチレンなどのポリマー(高分子の有機化合物)は一般的な素材ですが、力学物性や熱特性、光学特性などの特徴を持たせた機能性ポリマーはさらに活用範囲が広がり、また、無限の可能性を秘めているといえます。
具体的な仕事の流れは、まずポリマーにどのような特性を持たせたいかをお客様からヒアリングします。次に、それを実現させるにはどのようにポリマーを設計すればよいかを考え、実際にポリマーを合成。完成後、ポリマーの物性評価を自身もしくはお客様側で行い、その結果を元にお客様と再協議するというサイクルの研究開発となります。

今後の目標は、異分野の知識を融合することでゼロからイチを生み出すことです。これまでは、新たな分野である高分子材料科学の知識や技術を身に着けるだけで精一杯で、異分野知識の融合については、それほど注力できませんでした。これからは、異分野知識の融合により新たな研究テーマを開発することや、研究でのブレイクスルーを起こすなどして、研究の醍醐味でもあるゼロからイチを生み出したいと考えています。

専門分野以外の知識をどん欲に吸収

これまでの経験で重要だと感じたことは、知識の幅に制限を付けないことです。専門分野以外の新たな分野の知識を身に着けることは確かに大変で、時間もかかります。しかし、自身が現在進行形で取り組んでいる研究開発の立ち位置や、競合する技術を知るためには自ずと幅広い知識が必要になると考えています。ですから、専門外だからといって学ぶことを放棄せず、どんな分野であれ、どん欲に興味を持つようにしています。
学生の皆さんには、失敗こそが成功への近道ということを意識し、さまざまなことに挑戦してほしいと思います。何かに挑戦する際、迷ったときは「挑戦して成功する」「挑戦して失敗する」「挑戦しない」の3通りが考えられますが、自身の成長度は「挑戦して失敗する」>「挑戦して成功する」>>「挑戦しない」であると私は考えます。「若い時の苦労は買ってでもせよ」といわれますが、挑戦することには多大な苦労を伴います。しかし、挑戦を嫌がっていてはいつまで経っても成長できません。失敗に伴う責任が比較的小さい若いうちに多くのことに挑戦し、たくさん失敗することが成功への近道だと私は確信しています。

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